hinkochiのいきものーとβ

国内外のフィールドで見つけたいきものを紹介します。筆者は、進化生態学(動物・植物間相互作用)を専門とする大学院生です。

したたかなヤブガラシ

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20150723 福岡市 OLYMPUS STYLUS TG-3 顕微鏡モード

ヤブガラシの訪花昆虫を初めてじっくり観察したのだが、うわさに聞いていた通りなかなかおもしろい。
アリのほか、アシナガバチや、オオモンクロクモバチなど大型のハチも高頻度でやってきてかなり賑やかなのだ。

多くの虫に愛される秘密は、花盤表面に露出した蜜。表面に直接分泌されるので、口器が小さく短い昆虫でも、簡単に蜜をゲットできる。まさに博愛主義である。

しかし、Kakutani et al. (1989)によると、分泌する蜜の量は1日の中で大きく変動しているらしい。蜜量のピークは午前11時と午後3時。この時間帯はちゃんと花粉を運んでくれる役に立つ訪花者、ニホンミツバチの訪問時間と重複しているという(ほかの昆虫は花粉を運ぶ上では役立たないようだ)。誰でもウェルカムなように見えて、ちゃんと効果的なパートナーに資源を与えるよう工夫している。ヤブガラシの戦略はしたたかである。

蜜腺で誘う

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20141026 福岡市 OLYMPUS STYLUS TG-3 顕微鏡モード


アケボノソウの花。黄色く見えるのは蜜腺です。
花粉を花から花へ運ぶポリネーター(おそらくマルハナバチの仲間)が、蜜を吸っていると、背中に花粉がくっつくしくみ。
さらに、蜜腺をめぐってくるくるまわるので、すべての雄しべから花粉が運ばれます。
花弁のパンダ模様にも何か意味があるのかな。

葉をめくると

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20141026 福岡市 OLYMPUS STYLUS TG-3 顕微鏡+深度合成モード


冬虫夏草アリタケの仲間。まだ成長段階で種名は不明です。
地上30cmくらいのシダの裏についていました。
類似種では、胞子散布のためにアリを高い位置に誘導するものがあるとか。
論文も出てるみたいなので読んでみます。

食虫植物を食べる昆虫 

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カンボジアの湿地に自生するDrosera indica
粘着性の捕虫葉をつける食虫植物です.
花を食べている幼虫(トリバガ?)を見つけました.虫を食べる植物がいれば,それを食べる虫もいる,というわけです.昆虫と植物の繋がりは興味深いです.

カンボジアの昆虫食

カンボジアの首都,プノンペンのセントラルマーケット.果物,魚介類から衣服に至るまで,ありとあらゆるものが売られています.

そこで見つけた食用の昆虫たち.
食虫植物を研究する一人としては,昆虫を食べて研究対象の気持ちを知ることが一番です.
ということで,早速買って食べてみました.

まずは,タイワンタガメ

小学生の頃あちこちの水田を探しまわってようやく発見した思い出がある,憧れの昆虫です.
生きてるのがほしい!と売り手のおばちゃんに聞いてみたのですが,タガメカンボジアでも個体数が減っているらしく,生きているものは売れない,と言われました.残念.

味はというと,特にくせもなく食べやすかったです.ただ,結構濃い味がつけてあるので,よくわからないと言うのが正直なところですが・・
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それから,直翅目の昆虫たち.
上はタイワンオオコオロギ.日本のエンマコオロギより一回り大きい印象です.
味はまさに小エビの佃煮です.
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*タランチュラの佃煮はこちらをどうぞ
http://hinkochi.hateblo.jp/entry/2012/12/29/221216